イヴァナ ヘルシンキ20周年記念トークショーに行ってきました
2018.9.20.
フィンランドを代表するファッションブランドのひとつイヴァナ ヘルシンキが今年で20周年を迎えました。
それを記念して青山スパイラルではドレスやテキスタイルが展示されています。
この日はフィンランドセンター所長 アンナーマリア・ヴィルヤネンさんが創業者のパオラ・スホネンさんとピルヨ・スホネンさんへこの20年間について質問する形でトークショーが進みました。
創業者のお二人は姉妹であり、姉のピルヨさんはビジネスを妹のパオラさんがデザインを手がけているそうです。
今回は私の印象にとくに残っているものをいくつかピックアップしたいと思います。
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―ブランドを立ち上げたのはいつ?季節や時間帯は?
パオラさん:その日は5月の終わりで、夜でした。まだ学校はあったので夏休み前のことです。
両親の家のガレージでデザインや縫い物しに来ていた姉が帰ろうとしてる瞬間に説き伏せました。
姉は「絶対に嫌!」と言いましたが、片方がアーティスト、もう片方がビジネスマンで良いコンビだと思っていたから断られても諦めませんでした。
ピルヨさん:実家のガレージで妹に起業を誘われました。当時の私は妹の誘いを断りましたが、20年経った今、彼女の決意は正しかったと実感しています。
―姉妹経営のメリット・デメリットとは?
パオラさん:家族なので相手に気を遣って礼儀正しくする必要がなく、ダメなときはハッキリ言えます。
だから自分たちのアイディアを形にするまで時間がかからず、結果を早く出せることがメリットです。
私たちはのケンカは原始的です。ケンカでは髪の毛の引っ張り合いになり、髪の毛が抜けてしまうことがデメリットでしょうか(笑)
ピルヨさん:まったく妹の言うとおりです。ただ、私たちも20年の歳を重ねているので、昔ほどの激しいケンカはしなくなりました(笑)
―作品を世に送り出したときに燃え尽きた感はある?
パオラさん:私はいつも自分の最新のコレクションが嫌いです。
燃え尽きた感というよりも「もっとああすればよかった」との後悔があります。
「ああすればよかった」はたくさんありますが、過去は変えられないので時間の無駄です。だから未来に集中するようにしています。
―仕事において3つの大事なこととは?
パオラさん:自分のコンパスとなる美意識、努力を怠らない信念、ちょっとのクレイジーさ。
フィンランドでは「冷たい水に飛び込む」という表現があるように、少し大胆になる勇気を持つことが大事にされています。
ピルヨさん:LOVEとLOVEとLOVEです。
1つ目のLOVEは自分の仕事を愛すること。自分の仕事を愛せないと努力はできないからです。
2つ目のLOVEは周りに自分の愛する人を持つこと。自分の力を信じて愛してくれる人がそばにいることで、人は強くなれます。
3つ目のLOVEは自分自身への愛。自分を愛さないと自分を信じて挑戦することができないからです。
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最後の質問の答えからまさにパオラさんはアーティスト、ピルヨさんはマネージャーであることを改めて認識しました。
そしてそれはブランドを立ち上げて国際的に成功し20年も続けられた秘訣のようにも感じられました。
展示は9月24日(祝)までやっています。
それでは、もいもーい。