日本とフィンランドのブログ[noteに移行します]

ポルヴォーアートスクールで体験した”本当の”フィンランド教育や都内の北欧イベントレポートを週1で更新予定。記事寄稿などについてはコメント欄かTwitterのDMよりどうぞ。

フィンランド陶芸 ―芸術家たちのユートピア に行ってきました

2018.8.4.

日本とフィンランドの外交関係樹立100周年記念の一環だそうです。

 

アラビアやイッタラなど、フィンランド陶器が日本においても身近になってきた昨今ですが、本展はプロダクトではなくアートピースにフォーカスして黎明期から最盛期まで網羅した内容となっていました。

 

今回は私の好きな陶芸アーティストが残した作品の中で、とくに印象に残ったものをこちらに記しておきます。

 

■ルート•ブリュック女史の作品 

•聖体祭(Corpus Domini)

http://puheenvuoro.uusisuomi.fi/sites/default/files/imagecache/width-648/domain-9235/kuvat/WP_20160811_11_38_02_Pro.jpg

 

本展でもメインビジュアルになっている大きな陶板。背景に刻まれた模様によって、釉薬に奥行きが生まれています。

 

パステル寄りだけれどファンシーになり過ぎない、むしろ少し陰のある色味が私は好きです。

 

ちなみにこれはどの教会がモチーフなのか調べてみましたが、出てこず。

代わりに聖体祭シリーズの一枚がオークションに出ているのを見つけました。

 

www.bukowskis.com

 

実物を見ても思いましたが、天使の女の子が持っているのが白樺のかごにしか見えません。

白樺のプロダクトは、やはりフィンランドの伝統なんだなと納得です。

 

引用元▼

Rut Brykin näyttely Taikalaatikko Espoon modernin taiteen museossa Emmassa. — zzz333

 

ブリュック女史はもともとグラフィックアーティストだったそうで、アラビアファクトリーのアートデパートメントに招かれたときは、陶芸の経験はなかったそうです。

 

陶芸を始める前から平面での表現に長けていたからこそ、このような唯一無二の作風につながったのでしょうね。

 

彼女の作品はエスポー近代美術館でも展示されています。

エスポーの方がフロアの地面を埋め尽くすような作品や、より大きな陶板などが見られます。

私はサムネイルにするほどブリュック女史のライオンが好きです▼

 

aakikko.hatenablog.com

 

■ビルガー•カイピアイネン氏の作品

フィンランド陶芸界の貴公子」ともいわれるカイピアイネン氏。

日本ではパラティッシシリーズの食器で有名かと思います。

 

私はブラックパラティッシ一式を、私の母と祖母はカラーパラティッシを使っています。

 

毎日の生活の中で、彼の実用的なプロダクトばかり見ているため、アートピースとのギャップに驚かされました。

 

・テーブルのある部屋(room with table)

http://www.emmamuseum.fi/sites/default/files/styles/large/public/%5Bsite-date-yyyy%5D/%5Bsite-date-mm%5D/BK-Press1.jpg?itok=srrR49I7

 

カイピアイネン氏のアートピースでしばしば見られる表面の虹色はラスター彩というイスラム陶器の技法です。

 

私の小学生時代はポケモン遊戯王が流行っていたので、カイピアイネン氏のアートピースを見ると、キラカードを思い出してしまいます(笑)

 

解説によると、この作品がつくられた当時、マリメッコの創業者 アルミ・ラティア女史など、カイピアイネン氏と交友関係のあった人々が亡くなっていたそうです。

 

火の消えたロウソクや誰も座っていない椅子は、人々の不在を表現していると言われています。

 

キラキラの粒々やラスター彩によって、画面がやけに明るくなっており、かえって悲しみをさらに深めている感じがします。。

終盤でこの作品を見た私は、わりと凹みました。。

 

中央にある時計がどうして3時を指しているのかも気になりますね。

 

 ▼引用元

http://www.emmamuseum.fi/kaipiainen

 

 ・ビーズバード<シャクシギ>(Beads Bird)

https://images2.bonhams.com/image?src=Images/live/2012-08/20/8613146-35-5.jpg&width=640&height=480&autosizefit=1

  

これはビーズのオブジェですが、胴体部分のモチーフは時計になっています。

うーん・・・なかなかクレイジーな作品。

 

そして時刻は3時を指しているものが多いです。

さっきの飾り皿も時計が3時でしたが、なんでだろう?

 

おやつの時間?丑三つ時みたいなもの?

 

理由が気になりすぎてフィンランド語でググってみましたが出てきませんでした。

 

今度フィンランド人の友達に聞いてみようと思います。

 

(8/23追記フィンランド人の友達に聞いたりググったりしてもらいましたが分かりませんでした。)

 

彼のビーズバードシリーズを見ていて気づいたのは、ビーズの色の並べ方が不揃いであることです。

 

もしも私が同じ材料が目の前にあったら、明るい部分には薄い色を、陰になる部分には濃い色を配置するでしょう。

というより、そうしないと私は落ち着きません。

 

カイピアイネン氏に限らず、こういう不揃いさを受け入れる感覚を持って創作するからこそ、マリメッコもアラビアもイッタラも、理屈だけでは片付けられない後世に残る作品が生まれるのだろうな、と思ったのでした。

 

▼引用元

https://www.bonhams.com/auctions/20049/lot/1235/

http://www.emmamuseum.fi/kaipiainen

 

目黒区美術館での展示は2018年9月6日までやってます。

北欧食器が好きな人には「へ〜あの人は、こんなのも作っていたのか!」と、新しい発見があると思いますよ。

 

それでは、もいもーい。