東京のOLがフィンランドでインターンした話

ポルヴォーアートスクールで体験した”本当の”フィンランド教育の記録です。お問い合わせはコメント欄またはTwitter(@akotwi)のDMよりどうぞ。

子どもの「うんこ好き」は万国共通かもしれない

2016.8.2.

朝起きてキッチンに行くと仕事休みのパッパがすでに立っており、コーヒーの淹れ方を教えてくれました。

朝食にパッパお手製のスムージーと黒パンをいただいて、出勤。

 

バスに乗ると、いかにもアル中のような風貌のおじさんがビール缶片手に大声で話していて少し怖かったです。(フィンランドの公共交通機関では飲酒NG)

 

出勤後、U先生という職員と話しました。彼女は私に英語で話しかけますが、他の職員とはスウェーデン語で話します。

 

L先生とU先生が話すときはスウェーデン語、A先生とU先生が話すときはフィンランド語。

チャンネルを変えるかのごとく自然に言語が切り替わります。

 

日本という島国で、一つの言語だけでコミュニケーションをとってきた私には不思議な光景でした。

そして、それだけ言語の選択肢があれば、例えばググるときも、各国の言語や概念の数だけ、いろんな情報に触れたり、比較できたりするのでしょう。

私は今この場で自信をもって使える言語が日本語しかないことを頼りなく感じました。

 

さて、今日の授業内容は本物の貝を見て、絵を描くこと。6人の子どものうち5人は実物を手に取って眺めたり、耳に当てたりしています。

 

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一方、ある男の子は席についてムスッとしています。昨日、船の絵を描かなかったA君です。

 

先生はこういうとき、どう接するんだろう?

 

私の見てきた日本の先生は「一緒に描いてみよう?」って生徒に声をかけるか、中にはヒステリーになって生徒を追い出す変な大人もいましたが。

 

L先生はA君の肩に手を置いて、にこにこしながらスウェーデン語で一言、声をかけていました。

 

その間にも生徒の中にはすでに描き終えて、粘土のある隣室へ飛び出す子もいます。

A君はペンを手にする気配もなく、その子と一緒に教室を出てしまいました。

 

私が描き終えた子の画材を片付けていると、先生は絵本を手に、子どもたちへ読み聞かせを始めます。

 

手を止めて話に聞き入る子もいれば、絵を描くことに集中する子、持ってきた人参をかじる子もいます。

 

私は隣室を覗きに行きました。そこのテーブルには、カラフルな粘土がたくさんあります。これらは、muovailuvaha ムオヴァイルヴァハと言うそう。

 

粘土をいじる子どもたちをまじまじと見るのもなんなので、私も粘土を手に取りました。

 

ふと思い浮かんだのは、ヘルシンキのアラビア地区の樹木。葉っぱの一枚一枚が、日本で見たことがないほどの丸さだったのです。

私は粘土で木を表現することに。

 

作っていると、様子を見に来たL先生にJättefin!(すごい!)とスウェーデン語で褒められました。何歳になっても褒められるのはうれしいですね。

 

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さらに葉っぱを作っていると、突然、視界に茶色い物体が入ってきました。

 

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私はびっくりして反射的にテーブルから離れると、隣でA君がゲラゲラと笑っているではありませんか。

 

なるほど、彼の仕業か。

それより、とぐろを巻くという概念がグローバルであることに気づいて、私は思わず吹き出してしまいました。

 

これがフックになったのか、A君は私の手を引いてサッカーゲームコーナーへ。

 

(ちょっと待って!)

 

今この瞬間、絵の授業に参加しているA君の作品は貝の絵ではなく粘土のうんこです。

 

私はL先生に怒られるのでは、とヒヤヒヤしながらゲームの相手をしていましたが、L先生は私たちをにこにこと一瞥して授業に戻りました。

 

彼は今日も絵を描くことはありませんでした。

 

しかし、午後に遊び仲間(私)とゲームをとても楽しめたようで、迎えに来たパパのもとへ嬉しそうに駆け寄っていきました。

 

パパは一切怒る気配もなく、彼を抱き上げたので、私は内心ホッとしました。

 

ひとまず、フィンランドと日本の友好関係を作ってくれたうんこには感謝したいと思います。

 

それでは、もいもーい。