フィンランドでランタンを作る
2016.8.5.
日本人インターンのKさんと先月ぶりに再会しました。
彼女はポルヴォー旧市街地ど真ん中の一軒家を校長先生の義理の息子から借りているそうですが、大きな家でひとりぼっちというのが合わないとのこと。
お宅を拝見しましたが、家屋は広く美しく、家具もひととおり揃っています。
毎日の朝と夕方、ど田舎のバス文化に胃をキリキリさせながら通勤している私には、その感覚が理解できませんでした。
職場まで徒歩3分、家も広くて静か・・・私には魅力しか感じられませんが、人それぞれですね。
私は日本で得られない体験ができてありがたい一方で、バスのタイムテーブルで行動に制限がかかっていること、OL時代とちがって安定した収入源がないのに毎日往復6€(900円前後)のコストがかかっていることがとてもストレスフルだったのです。
Kさんは、ポルヴォー在住日本人のHさん一家のところに滞在するそうなので、私が家を1ヶ月ほど借りることが決まりました。8/8に私がこの家に移ります。
午前中は昨日の絵の整理をして、午後はHさんたちのランタン作りのワークショップがポルヴォー中央図書館で開催されるので、参加することにしました。テーマは平和祈念です。翌日は広島に原爆が投下された日にあたります。
ワークショップの席はほぼ埋まっていました。
ポルヴォーのような小さな街でもこんなに人が集まるんだ・・・と異文化やものづくりに対するポルヴォー市民の関心度の高さが窺えました。素敵ですね。
参加者は和紙(書道家でもあるHさんの書を紙ふぶきのようにしたものと無地のもの)にのりを塗って、一片ずつ風船へ貼り付けます。乾いたら、筆でそこに言葉を書きます。
翌日、完全に乾ききったら風船を割って、空洞を作り、キャンドルにかぶせて日本庭園に飾ります。
ポルヴォー中央図書館には、鳥居と砂利と岩で作られた日本庭園があるのです。
フィンランドの空気は乾燥しているので、のりの乾きが早いです。
貼り付けた後であれば良いのですが、貼り付ける前に乾いてしまうので、苦戦する参加者も見られました。
とくに私は紙ふぶきの四隅が少しでもめくれていると気になってしまうので、のりを塗る前にどうしておくのがベストかを試行錯誤していました。
その隣ではホストファミリーのK君もランタン作りをしています。
彼は、風船の表面に真っ白な和紙をとてもきれいに敷き詰めています。一言も話さないほど集中しています。
ほとんどの参加者は時間内に完成しましたが、図書館の閉館時間が迫っていたので、運営チームとともにバタバタと会場を出ました。
まだ作業を続けたかったKさんはパッパに図書館から引きずり出されました・・・。
ランタンは図書館で乾燥中。
パッパに叱責されて泣きじゃくるK君は気の毒でしたが、彼はきっと美しいものを生み出す職人さんになるのでは・・・と私は将来が楽しみに思えたのでした。
それでは、もいもーい。