なぜフィンランド語はかわいいと言われるのか
2018.6.26.
日本では数年前から「フィンランド語ってかわいい!」という声を耳にします。
しかし、かわいい理由に言及したり、その性質を掘り下げたりしている人を見たことがありません。
ここでは、「かわいいよね~」とほっこり思考停止するのではなく、なぜかわいい(というより「日本人にとってかわいく聞こえる」)のかについて私が持っている考えを記したいと思います。
A)パ行の音でかわいいを作る日本
きゃりーぱみゅぱみゅ、ピカチュウ、プリキュア、もはや世界共通語とも言えるKAWAIIカルチャーの旗手たちの名には、パ行の音が含まれていることが多いように感じられます。名は体を表す。
B)フィンランド語において子音pの頻出度が日本語より高い(パ行の音が多い)
”kpt交替”というフィンランド語特有の、とてつもなく厄介なルールが存在します。このクセものは、全世界のフィンランド語学習者を苦しめている原因の一つのように思えます。
(フィンランドで移民向けの語学学校3つに通学した私の体感です)
このことから、単語の中にpが登場する回数が多いことを私は推測します。k,p,tが滅多に出てこなければ、学習者たちはさほど苦しまないでしょう。
加えて、実際に私のフィンランド語のメッセと日本語のそれとを比較すると、やはりpの音は前者に多く見られます。そもそも二か国語の会話量がフラットじゃないので検証はむずかしいですが。
ついでに、メッセを読み返していて見つけた私のよく使うワード5選を紹介します。
どれも見事に破裂音pが入っているので、発音するのが楽しくなります。だからこそ、同じ意味の単語が他にあっても、下記の言葉を無意識に選んでいたのかもしれません。
先週末のdripメンター卒業イベントで聴衆を魅了したピザ氏は、冒頭で
「パピプペポは、お口が喜ぶ音」と述べていた点にも通じる気がします。
せっかくなので、重箱の隅をつつくような発音のポイントも添えておきました。(私も修行中です)
余談ですが、フィンランドのムーミンワールドで、片言でもフィンランド語で話しかけると、ムーミンたちはとても喜んでいました。この夏行かれる方、トライしてみてください▼
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1)そうね。→にーんぱ!Niinpä!
äは、[a]と[e]の中間の音です。発音のイメージは「にーんぱぇ」。
2)かわいい!→そぽ!Söpö!
öは、口をすぼめて[o]と発音するイメージです。
あえてテキストに起こすと「すぉぇぽぉぇ」でしょうか。
ちなみにSöpöは、赤ちゃんやペットなどに対して言う言葉なので、目上の人には言わない方が良いかもしれません。
かわいこちゃん、なんて言いたいときは、そぽてゅっとsöpötyttöという表現もあります。ナンパにどうぞ。
3)なんて素敵なの!→おんぱ いはな!Onpa ihana!
Onpaは感嘆詞のような存在なので、そのあとに続く形容詞を変えれば、表現の幅が広がります。
4)ばかばかしい。くだらない。→ほぽ ほぽ。Höpö höpö.
öの発音がポイントですが、テキストだと違和感ありますね「ふぉぽぉぇ ふぉぽぉぇ」。
5)助けて!→あぷあ!Apua!
これは見たままの発音でいけます。ピンチの時にぜひ。
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それでは、もいもーい。